・point・延納/物納

・相続による財産取得と相続税額・

Aさんはお父さんが他界したことにより、お父さんの財産を相続により取得しました。

 Aさんが取得した財産と納付すべき相続税は以下のようになっています。

図1_物納・延納.bmp

※あえて分かりやすい金額での表となっております。

 

・税金は現金で全額納付が原則・

 ここで一つ税金についての原則です。税金は定められた期限までに「現金で全額納付」しなければいけません。

 そうするとAさんの場合、相続税1,000円をお金で納付しなければいけないということになります。

 Aさんの手持現金は、「相続によって取得した200円」と「Aさん自身が持っていた200円」の計400円です。

 これで相続税1,000円を納付できるでしょうか?答えはもちろんできません。

 

図2_物納・延納.bmp

 

 

 

このように600円は納付できません。

 

・現金で全額納付できないときは…・

 「納税資金が足りない。じゃあ、納付しなくていいの?」

 そんなうまい話はありません。税金を全額納付しないと国は許してくれません。ではどうするのか?

 不足額600円はまず年賦による分割納付をすることになります。金融機関からお金を借りるのと同じですね。つまり期限までに払えなかった税金分、国からお金を借りているようなイメージです。なので金融機関からの借入に利子がかかるように、国に対して利子を支払っていくことになります。

 ちなみにこの分割納付のことを「延納」、国に対して支払う利子のことを「利子税」といいます。

 「延納」は、自身の収入や生活費などを考慮し、毎年納付できる金額を計算します。しかし、この「延納」は期間に限りがあります。金融機関は無期限でお金を貸してくれないですよね。国も同じです。

 ではAさんの話に戻ります。

 Aさんが毎年納付できる金額が20円で、期間が20年とします。そうすると、

 

図3_物納・延納.bmp

 

 

となります。あれ、まだ不足額がありますね。

 

・延納でも納付しきれないときは?・

 延納を駆使しても納付しきれない相続税が残ってしまいました。こんな時は最終手段です。Aさん、現金以外にも相続によって何かもらっていましたよね?そうです。不動産です。現金の代わりに不動産で相続税を納付することになります。

 この現金以外の相続財産(不動産・有価証券など)によって相続税を納付することを「物納」といいます。

国としては本当はお金で欲しいわけです。不動産をもらっても処分に困ったりしますし。でも無期限で「延納」を認めるよりは、取りっぱぐれない分いいということですね。

 

 ではAさん、この物納を用いて不足額200円を納付します。

 

図4_物納・延納.bmp

 

 

 Aさん、これで何とか相続税を全額納付することができました。

 

 

・実務においては…・

 これまでの記述はご覧になっているみなさんにイメージを持って頂くため、大雑把な内容になっています。

 実際には「延納できる期間、金額の算定」「物納できる財産の範囲」さらには「延納とした部分の物納への変更(特定物納)」など複雑なものとなっていますし、特に物納を適用するのは大変困難なことになります。

 「延納」や「物納」をうまく活用したいとお考えの方は、税理士などの専門家にご相談頂くことをお勧めいたします。