相続税とはどのような税金ですか?

 

相続税とは亡くなった人(被相続人)から財産をもらった時にもらった人に対して発生する税金です。相続税は国に納める税金で、財産税といわれます。

なぜ相続税があるの?

 

被相続人から財産をもらうことは、たまたま財産を取得したということであること、また特定の人に財産が集中することを抑えるために相続税をかけることとしています。

相続とはどういうことですか?

 

相続とは、一般的には人が亡くなった際に、その亡くなった人が持っていた財産を配偶者や子供などに受け継ぐことをいいます。

相続以外に被相続人から財産を受け継ぐ方法は?

 

被相続人から財産を受け継ぐ方法は、相続以外に遺贈、死因贈与の場合があります。

遺贈とはどのようなことですか?

 

遺贈とは、被相続人が生前に誰に財産をあげるか記載した文章(遺言書)により財産の受け継がれることをいいます。

死因贈与とはどのようなことですか?

 

被相続人が、生前に「自分が死んだら財産をあげる」という契約書を財産をもらう人と取り交わしていた場合をいいます。

相続税は被相続人の財産がいくらあると課税されるの?

 

相続税には「基礎控除」というものがあり、財産が基礎控除額以下であれば相続税は課税されないこととなります。
基礎控除額=5000万円+(1000万円×法定相続人の数)

相続人とは誰ですか。

 

民法により相続人が定められています(法定相続人)。法定相続人となる人は、被相続人の配偶者、子、父母や祖父母、兄弟姉妹となります。

相続人になれる順番はありますか?

 

配偶者は必ず相続人となりますが、配偶者以外については順番が決まっています。

@     被相続人に子供がいる場合→第1順位 配偶者+子供

A     被相続人に子供がいない場合→第2順位 配偶者+父母(父母が死亡している場合には祖父母)

B     被相続人に子供・父母祖父母がいない場合→第3順位 配偶者+兄弟姉妹

被相続人の子供が先に亡くなっており、孫がいる場合の相続人は?

 

相続人になるはずであった子供が被相続人よりも先に亡くなっていた場合には、その子供の子供(被相続人の孫)が、被相続人の第1順位の相続人となります。これを代襲相続といいます。もし、孫が被相続人よりも先に死亡していた場合にはひ孫が代襲相続人というように無限に続いていきます。

第3順位の場合の代襲相続は?

 

第3順位の兄弟姉妹が被相続人よりも先に亡くなっていた場合には、兄弟姉妹の子供(甥・姪)が代襲相続人となります。しかし、甥または姪が被相続人よりも先に亡くなっていた場合には、甥または姪の子供は被相続人の相続人とはなりません。(兄弟姉妹の子供は1回限りの代襲となります)

財産はどのように分けるのですか?(遺言書がある場合)

 

あらかじめ遺言書でそれぞれの相続人が財産を取得する割合(相続分)を決めておくことができます。これを指定相続分といい、被相続人の意思を反映するものとして優先的に従われることとなります。

 

財産はどのように分けるのですか?(遺言書がない場合)

 

相続人が複数いる場合で遺言書がない場合には、相続人間で話し合いを行い、お互いの取得財産を決めることとなります(分割協議といいます)。なお、民法ではそれぞれの相続人が取得する割合(法定相続分)を定めておりますが、これを目安にして分割協議が行われることもあります。

 

法定相続分はどのように定められていますか?

 

第1順位、第2順位、第3順位によりそれぞれ割合が異なります。

@第1順位の場合

 配偶者1/2  子供1/2

 (例)相続人が配偶者と子供2人の場合

   配偶者 1/2  各子供 1/4(1/2×1/2)

   ※子供の相続分は1/2を均等に分けます。

A第2順位の場合

    配偶者2/3  父母(祖父母)1/3

 (例)相続人が配偶者と父と母の場合

    配偶者 2/3 父と母 1/6(1/3×1/2)

       ※父と母の相続分は1/3を均等に分けます。

 

B第3順位の場合

    配偶者 3/4 兄弟姉妹 1/4

 (例)相続人が配偶者と兄弟が2人の場合

    配偶者 3/4 各兄弟 1/8(1/4×1/2)

       ※兄弟姉妹の相続分は1/4を均等に分けます。

 

相続税はどのような財産にかかりますか?

 

相続税は被相続人が亡くなった日(相続開始日)に持っていたすべての財産に対してかかることとなります。財産の代表例として、土地・建物・現預金・株式があげられ、ごれらは「本来の財産」といわれます。

 

本来の財産のほかに相続税がかかる財産はありますか?

 

被相続人が相続開始日には持っていなくても、被相続人の死亡によって相続人が被相続人以外の者から財産を取得することがあります。代表的なものは生命保険金・死亡退職金があげられ、本来の財産に対して「みなし相続財産」といわれます。これらについては、実質的には相続によって財産を取得したものと同じ効果があることから、取得した者が相続または遺贈により取得したものとみなして相続税がかけられます。

 

被相続人から生前に財産をもらっていた場合は?

 

相続または遺贈により財産を取得した者は、被相続人の亡くなった日前3年内に財産をもらっていた場合にはその、もらっていた財産についても相続税がかけられます。(生前贈与加算といいます)

 

相続税がかからない財産はありますか?

 

相続や遺贈により取得した財産には、その財産の性格や国民感情・社会政策的な配慮から相続税をかけることが適当でないものがあり、一定の財産については相続税をかけないこととされているもの「非課税財産」があります。

 

お墓には相続税はかかるの?

 

お墓には相続税はかかりません。そのほか、仏壇・位牌・神棚なども相続税は非課税とされています。ただし、骨董品として持っていた仏像などは非課税となりません。

 

生命保険金の一部には相続税がかからないと聞きましたが?

 

相続人が取得した生命保険金で一定の金額までについては相続税が非課税となります。

  非課税となる一定の金額は次のとおりです。

   500万円×法定相続人の数

  なお、相続人でない者が取得した生命保険金については非課税の適用はありません。

 

死亡退職金の一部には相続税がかからないと聞きましたが?

 

相続人が取得した死亡退職金で一定の金額までについては相続税が非課税となります。

  非課税となる一定の金額は次のとおりです。

   500万円×法定相続人の数

 

弔慰金や花輪代を受け取った場合には相続税はどうなりますか?

 

被相続人の勤務先から弔慰金や花輪代などを受け取ることがありますが、これらは遺族に弔意を表すものとしてその金額が常識的なものであれば相続税は非課税となります。弔慰金について非課税となる範囲は次のとおりです。

@被相続人が業務上の死亡の場合・・・死亡時の普通給与の3年分

A被相続人がその他の死亡の場合・・・死亡時の普通給与の6カ月分

なお、弔慰金のうち上記非課税の範囲を超えた部分は死亡退職金とみなされて相続税の対象となります。

 

国等に財産を寄付した場合には相続税はどうなりますか?

 

相続や遺贈により取得した財産について、その取得した人が国・地方公共団体、特定の公益法人に寄付した場合にはその寄付した財産について一定の要件を満たす場合には相続税は非課税となります。

 

被相続人に借入金がある場合は?

 

被相続人が残した借入金や未払税金などは、相続財産から差し引くこととなります。これを「債務控除」といいます。

 

被相続人は所得税の確定申告が必要ですか?

 

所得税の確定申告は1月1日から12月31日までの1年分を翌年の3月15日までに申告することとなっていますが、年の中途において被相続人が死亡した場合には、1月1日から死亡した日までの所得を計算して、死亡した日から4カ月以内に相続人が申告をする必要があります。これを「準確定申告」といいます。

 

葬式費用は相続税に関係しますか?

 

葬式費用は被相続人の借金ではありませんが、人が亡くなった際には葬式は行われるものであるため、被相続人の相続財産から差し引くこととなります。

 

葬式費用として控除できるものはどのようなものですか?

 

葬式費用として相続財産から差し引くことができるものは次のとおりです。

@葬式(仮葬式・本葬式)に要した費用

A火葬・納骨・遺骨の回送などに要した費用

Bそのほか通常葬式に必要な費用

 

葬式費用にならないものはどのようなものですか?

 

葬式費用にならないものは次のとおりです。

@香典返しの費用

A墓地・墓碑の購入費用

B初七日、四十九日などの法事に関する費用など

 

相続税はどのように計算されますか?

 

相続税の計算方法は、単純に相続人が取得した財産の価格に税率をかけるというものではありません。相続税の計算は、次の流れによって進めることとなります。

@相続税がかかる財産の計算(課税価格の計算)

A全体の相続税額の計算(相続税の総額の計算)

B相続人ごとの税額の計算(各人の相続税額の計算)

 

課税価格の計算とはどのようなものですか?

 

本来の相続財産

相続・遺贈により取得した被相続人の財産

 

みなし相続財産

被相続人が保険料を支払っていた生命保険金、死亡退職金

 

生前贈与加算額

死亡する日前3年以内に相続人等が被相続人より取得した財産

 

非課税財産

相続・遺贈により取得した墓地・仏壇等、生命保険金や死亡退職金のうち一定の金額

 

債務控除

被相続人の借入金等、被相続人にかかる葬式費用

 

課税価格

各人の相続税の対象となる金額

 

実際に相続税がかかる金額はどのように計算しますか?

 

実際に相続税がかかる金額(課税遺産総額)は次のように計算します。

各人の課税価格の合計額

各人の相続税の対象となる金額の合計額

 

基礎控除額

5000万円+(1000万円×法定相続人の数)

 

課税遺産総額

実際に相続税がかかる金額

 

課税遺産総額(実際に相続税がかかる金額)を計算した次はどのような計算をしますか?

 

課税遺産総額の計算の次は相続税の総額の計算を行います。課税遺産の総額を法定相続人が法定相続分どおり財産を取得したと仮定し、相続税の速算表を用いて法定相続分に対する相続税の計算し合計します。

 

相続税の税率はどのようなものですか?

 

法定相続人が法定相続分どおりに取得したと仮定した金額ごとに次の速算表を用いて計算します。

法定相続分による取得価格

税率

控除額

1000万円以下

10%

1000万円超

3000万円以下

15%

50万円

3000万円超

5000万円以下

20%

200万円

5000万円超

10000万円以下

30%

700万円

10000万円超

30000万円以下

40%

1700万円

30000万円超

 

50%

4700万円

 

(相続税の総額の例)

・相続人 配偶者、子供2人(法定相続人は3人)

・課税価格の合計額 12000万円

・各相続人の取得財産

  配偶者8400万円 子供a 2400万円  子供b 1200万円

・法定相続分 配偶者1/2 各子供1/4

@課税遺産総額 12000万円−(5000万円+1000万円×3人)=4000万円

A法定相続分による取得価格

 配偶者 4000万円×1/2=2000万円

 子供1 4000万円×1/4=1000万円

 子供2 4000万円×1/4=1000万円

B速算表による税額の計算

 配偶者 2000万円×15%−50万円=250万円

 子供1 1000万円×10%=100万円

 子供2 1000万円×10%=100万円

 合計額 450万円

 

相続人ごとの相続税はどのように計算しますか?

 

相続税の総額は、それぞれの相続人が財産をいくら取得したか関係なく法定相続人が法定相続分により取得したものとして計算しました。相続人ごとの相続税は、相続税の総額にそれぞれの相続人が取得した財産の割合を乗じて計算します。

  相続税の総額×それぞれの相続人の取得割合=各人の相続税額

 それぞれの相続人の取得割合は次のように求めます。

  その相続人の課税価格÷課税価格の合計額

 

 上記Qの場合、各相続人の相続税額は次のように計算されます。

 それぞれの相続人の取得割合

  配偶者 8400万円÷12000万円=0.70

  子供a 2400万円÷12000万円=0.20

  子供b 1200万円÷12000万円=0.10 (計1.00)

 次に相続税の総額に上記の割合を乗じます。

  配偶者 450万円×0.7=315万円

  子供a 450万円×0.2=90万円

  子供b 450万円×0.1=45万円

 

相続税額の加算とはどのようなものですか?

 

上記のQにより相続人ごとの相続税を計算しましたが、その相続人により相続税額が20%高くなる場合があります。これを「相続税額の加算」といいます。加算対象者は次のとおりです。

  配偶者以外の者で、被相続人の1親等の血族でない者

 

 この20%加算は、血縁関係の薄い人や、まったく血のつながりがない人が財産を取得することは極めて偶然的なことであるため設けられた制度です。

 

納める相続税が少なくなるケースはありますか?

 

相続税には1人ごとの相続税額からマイナスして納付する相続税額が少なくなるケースがあります。これを税額控除といい、税額控除には6つの種類があります。

  @配偶者の税額軽減

  A贈与税額控除

  B未成年者控除

  C障害者控除

  D相次相続控除

  E外国税額控除

 

配偶者の税額軽減とはどのようなものですか?

 

配偶者の税額軽減とは、配偶者の財産形成への貢献、配偶者の生活保障、配偶者が亡くなった段階で相続税を課税するという目的で、配偶者に対する相続税を軽減するというものです。

 

配偶者の税額軽減の計算内容はどのようなものですか?

 

配偶者の税額軽減は次の金額のいずれか多い金額に対応する相続税額を軽減するというものです。

   課税価格の合計額×配偶者の法定相続分

   1億6000万円

配偶者が上記の金額までの相続財産を取得した場合には、配偶者については相続税は全く納める必要がないこととなります。逆に、これらの金額を超えて財産を取得した場合には超えた部分に対応する相続税を納めることとなります。

 

贈与税額控除とどのようなものですか?

 

相続や遺贈により財産を取得した者が、被相続人が亡くなる日前3年以内に被相続人から財産の贈与を受けていた場合には、その贈与により取得した財産を相続財産に加えて相続税を計算することとなっています。この場合、贈与時の贈与税と相続時の相続税が2重に課税されることとなるため、贈与時に支払った贈与税をその者の相続税額から控除するというものです。

 

未成年者控除とはどのようなものですか?

 

相続人が未成年者である場合には、その者が20歳になるまでの年数によって計算した金額を相続税額から控除するというものです。

 この未成年者控除の適用がある者は、法定相続人のみです。

   未成年者控除の金額=6万円×その者が20歳になるまでの年数

 

障害者控除とはどのようなものですか?

 

相続人が障害者の場合には、その者が85歳になるまでの年数によって計算した金額を相続税額から控除するというものです。

 この障害者控除の適用がある者は、法定相続人のみです。

   障害者控除の金額=6万円×その者が85歳になるまでの年数

  ※その者が特別障害者の場合には1年につき12万円となります。

 

相次相続控除とはどのようなものですか?

 

相次相続控除とは、短い期間の間に2回以上相続が続いた場合、相続税の負担が重くなることを防ぐために、一定の金額を相続税額から控除するというものです。最初の相続を第1次相続といい、その後の相続を第2次相続といいますが、この第1次相続と第2次相続との間が10年以内の場合、相次相続控除の適用があります。

 

外国税額控除とはどのようなものですか?

 

外国税額控除とは、被相続人が外国に財産を所有していた場合に、日本の相続税と外国の相続税が2重に課税されることを防ぐために、外国で課税された相続税を控除するというものです。

 

遺産分割がまとまっていないときはどうしますか?

 

相続人の争いなどで、遺産分割がまとまっていない場合には、相続人が法定相続分により財産を取得したものと仮定して相続税を計算することとなります。その後、遺産分割がまとまったときに正しく相続税を計算し、それぞれの相続人が当初の申告を訂正するための手続きを行うこととなります。

 

相続税の申告書はいつまでに提出する必要がありますか?

 

相続税の申告書は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に提出することとなります。

 

相続税の申告書は必ず提出しなければならないのですか?

 

相続税の申告書は、次の@Aの要件を満たす場合に提出をすることとなります。

   @課税価格の合計額が基礎控除額を超えること。

   A納付すべき相続税額があること。

 これを逆に言えば、課税価格の合計額が基礎控除額以下であれば申告の義務はないこととなり、基礎控除額を超えた場合であっても税額控除により納付税額が0円となるときも申告は不要となります。

 ただし、税額控除のうち配偶者の税額軽減の規定を適用した場合その他一定の場合には申告書を提出する必要があります。

 

相続税はどこに申告するのですか?

 

相続税申告書は、被相続人の亡くなったときにおける被相続人の住所地を所轄する税務署へ提出します。

 なお、申告書は相続人が連名で申告できる様式のため、通常であれば各相続人が共同して申告書の作成を行い、税務署に提出することとなります。

 

相続税はいつまでに納めるのですか?

 

相続税は、納期限までに現金で納めることとなります。なお、納期限とは申告書の提出期限と同じです。納期限までに納付しなかった場合には、ペナルティとして延滞税が発生します。

 

相続税は分割で納めることはできますか?

 

相続税は、納期限までに現金で全額を納めることが原則です。しかし、取得した財産が土地や建物のみというような場合には、これらを売却した後でなければ現金が手許にないという場合もあります。そのため、一定の要件を満たす場合には分割して納めることができます。

<一定の要件>

 @納めなければならない相続税額が10万円を超えること

 A現金での納付が困難であること

 B担保を提供すること

 C申告期限までに延納申請書を提出すること

 なお、延納する場合には利子税が発生します。

 

相続税は現金以外で納めることはできますか?

 

順 位

物納できる財産の種類

第1順位

国債、地方債、不動産、船舶

第2順位

社債、株式、証券投資信託または貸付信託の受益証券

第3順位

動産

 

 

 

 

贈与税とはどんな税金ですか?

 

個人から個人へ財産がタダで移転した場合に、贈与を受けた人(「受贈者」といいます)に対して課される税金です。

なぜ贈与税があるのでしょうか?

 

贈与税は相続税の補完税と言われます。ある人が亡くなると相続税がかかります。「どうせ相続税がかかるなら、生前に贈与してしまおう!」という相続税回避を防ぐために贈与税が存在しているといえます。

よって、贈与税は相続税法に規定されています。贈与税法という法律はありません。

贈与とはどういう行為ですか

 

贈与する側の「あげます」という意思、贈与を受ける側の「もらいます」という意思の2つの意思があって成立する行為です。2つの意思を明確にするために、贈与契約書が用いられます。

どのくらい贈与をすると贈与税がかかりますか?

 

その年の1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額が110万円(「基礎控除額」といいます)以下であれば贈与税はかかりません。この基礎控除額を超える部分については贈与税が課されることになります。

どんな財産に贈与税がかかりますか?

 

本来の贈与財産(本来の相続財産と同じです→Qxx)とみなし贈与財産に対して贈与税は課されます。

みなし贈与財産とは何ですか?

 

本来の贈与でなくても、実質的に贈与を受けたことと同じように経済的利益があると、贈与があったとみなされます。当人同士の認識がないことが多く、重要であり、キケンでもあります。

借入金の返済を父に肩代わりしてもらった場合には贈与税はかかりますか?

 

債務を肩代わりしてもらうという経済的利益を享受しているため、みなし贈与財産に該当し、贈与税はかかります。しかし、債務免除等による利益を受けた場合であっても、債務者が資力を喪失して債務を弁済することが困難である場合において、債務の免除を受けた又は債務者の扶養義務者に債務の引受け又は弁済をしてもらったときは、その債務の弁済をすることが困難である部分の金額については、贈与により取得したものとはみなされないことになります。

父に無利息で金銭を借り入れた場合には、贈与税はかかりますか?

 

借入金が無利子などの場合には利子に相当する金額の利益を受けたものとして、その利益相当額は、贈与として取り扱われる場合があります。
 なお、実質的に贈与であるにもかかわらず形式上貸借としている場合や「ある時払いの催促なし」又は「出世払い」というような貸借の場合には、借入金そのものが贈与として取り扱われます。

祖父から安く土地を譲り受けました。この場合には、贈与税はかかりますか?

 

経済的利益を享受しているため、みなし贈与財産に該当し、贈与税はかかります。対価と時価との差額について贈与を受けたものとみなされます。

父から財産の贈与を受け、さらに課された贈与税についても、父に負担してもらいました。この場合には贈与税はかかりますか?

本来受贈者が負担すべき贈与税を肩代わりしてもらうという経済的利益を享受しているため、みなし贈与財産に該当し、肩代わりしてもらった贈与税額相当額に対し贈与税はかかります。

会社から財産をもらった場合には贈与税がかかりますか

 

法人から個人への財産の移転には贈与税はかかりません。贈与税が課されるのは個人から個人への財産の移転に対してのみです。この例の場合は、所得税が課されることになります。

生活費や教育費をもらった場合には贈与税がかかりますか?

 

夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から取得した財産は、「生活費や教育費として通常必要なもの」という制限はありますが、原則として贈与税はかかりません。

贈答品をもらった場合にも贈与税はかかりますか

 

結婚式のお祝金、病気のお見舞、お中元・お歳暮等は贈与ですが、社交上必要なもので、社会的にみて相当であるものについては、贈与税はかかりません。

父が亡くなった年に、父が亡くなる前にもらった財産には贈与税がかかりますか?

 

相続があった年に被相続人からもらった財産については、贈与税はかかりません。相続財産に含まれ、相続税が課されることになります。

贈与税はどのように計算されますか?

 

贈与税の計算は下記の流れで行います

@ 贈与税がかかる財産の計算(課税価格の計算)

A 贈与税額の計算

贈与税の課税価格はどうのように計算されますか?

 

課税価格は次のように計算します。

 

本来の贈与財産    贈与によってもらった財産

  +

みなし贈与財産    財産を安く買った部分、債務免除を受けた金額等の利益

  −

非課税財産           会社からもらった財産、生活費や教育費等

  =

課税価格              贈与税がかかる金額

課税価格の計算後、贈与税額はどうのように計算されますか?

 

課税価格から基礎控除額(110万円)を控除します。基礎控除額控除後の金額に下記の速算表を用いて計算します。

基礎控除後の金額

税率

控除額

200万円以下

10%

-

200万円超  300万円以下

15%

10万円

300万円超  400万円以下

20%

25万円

400万円超  600万円以下

30%

65万円

600万円超  1,000万円以下

40%

125万円

1,000万円超

50%

225万円

配偶者から居住用財産の贈与を受けた場合には贈与税の計算はどうなりますか?

 

相続税同様、配偶者の税負担を軽減する特例があります。「贈与税の配偶者控除」といわれるものです。一定の要件を満たした場合、基礎控除(110万円)とは別に、最高2,000万円を控除することができます。

 一定の要件とは?

@     贈与があった時に、婚姻期間が20年以上であること

A     居住用の土地や建物の贈与 又は 居住用の土地や建物を買うための金銭の贈与 であること

B     Aの土地や建物に贈与を受けた年の翌年3月15日までに実際に住むこと

C     Bの後も引き続き住む予定であること

D     過去に贈与税の配偶者控除を受けていないこと

E     贈与税の申告の際、一定の書類を添付すること(結果的に贈与税額がゼロになる場合でも申告をする必要があるということです)

相続時精算課税制度とはどんなものですか?

 

贈与税の課税制度には、「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つがあり、一定の要件に該当する場合には、相続時精算課税を選択することができます。この制度は、贈与時に贈与財産に対する贈与税を納め、その贈与者が亡くなった時にその贈与財産の贈与時の価額と相続財産の価額とを合計した金額を基に計算した相続税額から、既に納めたその贈与税相当額を控除することにより贈与税・相続税を通じた納税を行うものです。

 適用対象者は下記のとおりです。

贈与者→その年1月1日において65歳以上の者

              受贈者→その年1月1日において20歳以上の贈与者の子(養子を含む)

又はその代襲相続人

 この制度を選択しようとする受贈者は、その選択にかかる贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に「届出書」を所轄税務署長に提出しなければなりません。

贈与税はいつまでに申告をすれば良いですか?

 

贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に申告書を提出しなければなりません。

贈与税の申告はどこにすれば良いですか?

 

贈与を受けた人の住所地を所轄する税務署に申告書を提出します。

贈与税はいつまでに納めれば良いですか?

 

「贈与税の納期限=申告書の提出期限」です。

よって、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に納めなければなりません。

贈与税を延納することはできますか?

 

できます。下記の要件を満たして、税務署が許可した場合にできます。

@    納めなければならない贈与税額が10万円を超えること

A    現金で全額納めることができない理由があること

B    担保を提供すること

C    申告期限までに延納申請書を提出すること

なお、延納できる期限は5年以内で、利子税がかかります。

相続税・贈与税を計算する際の財産は、どのように評価するのですか?

 

各財産ごとに、相続時、贈与時の時価により評価します。ただし、時価の算定については、大変難しいため、国税庁では、財産評価に関する基本通達を公表し、それによって評価した金額を、時価としています。

財産の評価は、どの時点で行いますか?

 

相続税の場合は相続の時点、贈与税の場合は贈与の時点で、それぞれ計算します。

土地の評価は、どのように行うのですか?

 

@住宅地図、公図等により、評価する土地の所在地等を確認し、評価物件を特定します。

A課税時期における実際の土地の面積を確定します。(登記簿上の地積と異なる場合もあります)

B課税時期現在の現況により、地目を判定します。

C宅地、農地などの地目の別に、それぞれの地目ごとに定められた評価単位ごとに評価します。

宅地の評価は、どのような方法で行われるのですか?

 

宅地の評価方法には、路線価方式と倍率方式の二つがあります。

路線価方式とは、どのように評価する方法ですか?

 

路線に付された路線価を基に、奥行価格補正率等の画地調整をした価額によって評価する方式です。

  路線価は、国税庁ホームページ又は税務署に備えてある路線価図をみればわかります。

倍率方式とは、どのように評価する方法ですか?

 

固定資産税評価額に各地域ごとに定められた倍率を乗じて評価する方式です。

固定資産税評価額は、その宅地がある市区町村の役所・役場に行けばわかります。

倍率は、国税庁ホームページ又は税務署に備えてある路線価図をみればわかります。

貸している宅地は、どのように評価するのですか?

 

更地として評価した金額から、借地権の金額をマイナスして、貸している宅地の評価をします。

  貸宅地の評価額 = 更地価額 × (1−借地権割合)

借りている宅地は、どのように評価するのですか?

 

借りている人は、借地権という財産価値があることになることから、借地権の金額を評価します。

  借地権の評価額 = 更地価額 × 借地権割合

貸している建物が建っている宅地は、どのように評価するのですか?

 

更地として評価した金額から、借家人の立退料分を加味して計算した金額をマイナスして、貸している建物が建っている宅地を評価します。

  貸家建付地の評価額 = 更地価額 × (1−借地権割合×借家権割合×賃貸割合)

※  借家権割合は30%です。

※  賃貸割合 = 相続等の日に賃貸されている床面積の合計÷家屋の床面積の合計

事業用や居住用として使っている宅地の評価は、評価額が減額されるのですか?

 

相続や遺贈によってもらった財産のなかに、被相続人または被相続人の生計一親族が、事業用に使っていた、貸付けていた、または居住用に使っていた宅地がある場合には、その宅地のうち、200uから400uまでの部分については、評価額が減額されます。

ただし、申告期限までに適用を受けようとする宅地が未分割の場合や、贈与の場合は適用されません。

自分で使っている建物は、どのように評価するのですか?

 

建物の評価は、固定資産税評価額で評価します。

固定資産税評価額は、建物のある市区町村の役所・役場に行けばわかります。

貸している建物は、どのように評価するのですか?

 

貸家は、固定資産税評価額から借家権の金額をマイナスして評価します。

  貸家の評価額 = (固定資産税評価額)−(固定資産税評価額 × 借家権割合 × 賃貸割合)

※  借家権割合は30%です。

※  賃貸割合 = 相続等の日に賃貸されている床面積の合計÷家屋の床面積の合計

株式は、どのように評価するのですか?

 

株式の評価をする場合は、以下の3つに分けて、それぞれ違う評価方法をとることになっています。

@    上場されている株式(上場株式)

A    上場されていないが証券会社の店頭で売買されている株式(気配相場のある株式)

B    上場されていない株式(非上場株式)

上場株式はどのように評価するのですか?

 

上場株式は、

@    相続、遺贈または贈与があった日(課税時期)の終値

A    課税時期の属する月の毎日の終値の月平均額

B    課税時期の属する月の前月の毎日の終値の月平均額

C    課税時期の属する月の前々月の毎日の終値の月平均額

の、4つのうち、いずれか少ない方の金額をもって、評価します。

ただし、負担付贈与または個人間の対価を伴う取引により取得した上場株式の評価額は、上記の評価方法によらず、

@    課税時期の終値

で、評価します。

気配相場のある株式とは、どのような株式ですか?

 

気配相場のある株式とは、

@    日本証券業協会において、登録銘柄として登録された株式及び店頭管理銘柄として指定された株式

A    公開途上にある株式

を、いいます。

気配相場のある株式のうち、登録銘柄・店頭管理銘柄の株式は、どのように評価するのですか?

 

気配相場にある株式のうち、登録銘柄・店頭管理銘柄の株式は、

@    相続、遺贈または贈与があった日(課税時期)の取引価格

A    課税時期の属する月の毎日の取引価格の月平均額

B    課税時期の属する月の前月の毎日の取引価格の月平均額

C    課税時期の属する月の前々月の毎日の取引価格の月平均額

の、4つのうち、いずれか少ない方の金額をもって、評価します。

気配相場のある株式のうち、公開途上にある株式は、どのように評価するのですか?

 

気配相場のある株式のうち、公開途上にある株式は、公開価格によって評価します。

非上場株式の評価は、どのように評価するのですか?

 

日本にある会社のうち、上場されている会社はごくわずかであり、上場されていない会社、すなわち、非上場会社の数がほとんどです。

そのため、株式の評価基準のなかで、とくに、非上場株式の評価については、きめ細かい評価方法が定められています。

その、非上場株式の評価は、

@    類似業種比準価額

A    純資産価額

B    配当還元価額

の、3つのデータを使って行います。

類似業種比準価額とは、どのようなものですか?

 

国税庁は、上場会社の業種別のデータを公表しています。公表している業種別のデータは、上場会社の平均値である、1株(50円)あたりの、

  A:株価

  B:配当金額

  C:利益金額

  D:純資産価額

  の、4つです。

 株式を評価しようとする会社の業種に似た、すなわち、類似業種の上場会社の、A・B・C・Dを基に一定の算式により計算したものが、1株(50円)あたりの、類似業種比準価額となります。

純資産価額とは、どのようなものですか?

 

純資産価額とは、株式を評価しようとする会社の、課税時期現在における資産及び負債を評価通達の定めによって評価した価額に評価替えするなどして、1株あたりの価額を算出したものをいいます。

そのため、課税時期が事業年度の途中である場合には、課税時期における仮決算により資産及び負債の金額を算出することになります。

ただし、直前期末から課税時期までの間に資産及び負債について著しく増減がないため評価額の計算に影響が少ないと認められるときは、直前期末の資産及び負債を基として計算しても差し支えないとされています。

配当還元価額とは、どのようなものですか?

 

直前期末以前2年間の年平均配当金額を10%で割ったものが、1株(50円)あたりの配当還元価額となります。

非上場株式は、類似業種比準価額・純資産価額・配当還元価額をどのようにして、評価していくのですか?

 

まず、非上場株式を相続、遺贈または贈与でもらった人が、その会社の同族株主になるか、少数株主になるかを一定の方法により判定します。

同族株主に該当する場合は、原則的評価方式により評価し、少数株主に該当する場合は、特例的評価方式により評価します。

原則的評価方式とは、どのようなものですか?

 

同族株主が、会社の株式をもらって、その株価を計算する場合、まずその会社を、大会社・中会社・小会社に分けます。

また、中会社に該当する場合はさらに、中会社(大)・中会社(中)・中会社(小)の3つに区分します。

これらの区分は、従業員数・純資産価額(帳簿価額)・取引価額の3つの要素によって、区分します。

そして、会社の区分ごとに、下記のように評価します。

大会社:次のいずれか低い方。

(原則)類似業種比準価額

      (選択)1株あたりの純資産価額 

  中会社:(※1)× L(※2) + 1株あたりの純資産価額(※3) ×(1−L)

  小会社:次のいずれか低い方。

(原則)1株あたりの純資産価額(※3)

(選択)類似業種比準価額 ×0.50 + 1株あたりの純資産価額(※3)×(1−0.50)

  ※1 類似業種比準価額と1株あたりの純資産価額のいずれか低い方。

  ※2 中会社(大):0.90

     中会社(中):0.75

     中会社(小):0.60

  ※3 株式をもらった人と、その同族関係者の議決権割合の合計が50%以下である場合には、1株あたりの純資産価額に80/100を乗じた金額とします。

特例的評価方式とは、どのようなものですか?

 

特例的評価方式とは、配当還元価額と、株式の発行会社の規模に応じた原則的評価方式による評価額のいずれか低い方で、評価した金額です。

開業後間もない会社の株式なども、上記のように評価するのですか?

 

評価しようとする非上場会社の実態が、つぎのような特定会社等に該当する場合には、上記のような原則的評価方法を採用しません。

  基本的には、純資産価額で評価することになります。

@    株式保有特定会社

A    土地保有特定会社

B    開業後3年未満の会社

C    比準要素2以上ゼロの会社

D    開業前、休業中の会社

預貯金の評価は、どのように行うのですか?

 

預貯金は、相続、遺贈または贈与のあった日の預入れ残高が、そのまま評価となります。

ただし、定期預金などの固定性預金については、預入れ残高だけでなく、解約利率による源泉所得税等控除後の既経過利子をプラスして評価をします。